イタリア旅行記6〜サイクリング〜

宿には2泊3日する。まずは朝食から。レストランへ行くと、スタッフが出迎えてくれた。。朝食はビュッフェ形式で、クロワッサンや、ケーキ、パン、フルーツ、ヨーグルトなどが並んでいる。ケースには、ハムやサラミ、チーズがあり、スタッフに頼むと取り分けてくれる。また、コーヒーマシンがあり、エスプレッソや、カプチーノ、カフェラテなどを淹れることが出来る。他にも、牛乳やフルーツジュースを頂ける。

 


どれも美味しくて、ついつい沢山食べてしまう。イタリアでは朝食にクロワッサンは定番のようだ。牛乳がまろやかで、日本のものと違った味わい。美味しい。

 

その後、今日の過ごし方を考える。受付で、レンタサイクルが出来ると知り、自転車で、丘の上の街・モンテスペルトリへ向かうことにする。自転車で30分ほどの道のり。池のほとりの畦道を抜け、山の小道を駆け上がると、トスカーナの風景が目の前に、延々と広がる。

 

 

 

あの丘の上に向かって、冒険。

 

 

ただただ、美しい風景が広がる。

 

 

 

 

イタリア旅行記5〜料理が美味しい〜

宿の食事は、19時から。レストランが宿に併設されており、私たちの部屋からはすぐ近くにあり、アクセスが良い。小雨が未だに降っているものの、少し周辺を散策する。川や側溝は、コンクリート舗装されておらず、土がそのままになっているか、一部石積みになっている。沢山の植物が土手を覆っていて、こういう風景もいいなと思う。宿から見える丘には、赤い屋根の建物が立ち並び、街を作っている。

 

19時になり、レストランへ入ると、誰もいない。おかしいな。オープンする時間のはずだけれど・・・。厨房からお兄さんが出てきて、案内をしてくれた。イタリアでは、決まった時間にぴったり始まると言うよりかは、ちょっとゆったり始まる様子。とても丁寧に接客をしてくれて、慣れていない、西洋式の料理のオーダーの仕方も、スタッフに聞きながら、いくつか注文をする。

 

前菜に、フランという食べ物と、チーズとハムの盛り合わせをいただく。どれもトスカーナの食材を使っているようで、滋味深かった。メインには猪のパスタや、グリルされたウサギをいただく。ワインも合わせて、ヨーロッパの食事を味わう。日本でももちろんチーズやハム、ワインを頂く機会はあるけれど、何か根本的に作り方が違うように感じる。素材の良さ、熟成された味わいを体感する。

 

そしてパン。イタリアは、どちらかというと、ピザやパスタのイメージが強かったけれど、パンが美味しい。肉にも、チーズにも、バターにも、ジャムにも、何にでも合う。もちろんそのまま食べても美味しい。特に、植物のタネとともに、焼いたパンが美味しかった。こういうのを作りたいよねと話しながら食べる。

 

ちょうど出発前に、ヨーロッパを旅している友人と、オンラインでお話をした。その際に、友人は、25カ国ほどを旅したなかで、最も印象に残ったのはイタリアだと言う。その理由を、イタリアの文化や芸術を通して、五感が揺さぶられたからだと話していた。そんな友人の言葉を思い出しつつ、食と風景を通じて、私たちは感性を刺激された。

 

 

イタリア旅行記4〜フィレンツェからトスカーナ地方の田舎へ〜

3/31 部屋にようやく入れた。イタリアならではなのか、鍵を3回転ほど回して、くっと捻ると、開けることができる。最初は分からなくて、かなり戸惑った。部屋は、とても綺麗で、家具もスタイリッシュで、現代的にリフォームされている。落ち着ける空間で、良かった。シャワーを浴びて、一休みしていると、眠気が・・・。そのままベッドに倒れ込んで、1日目は終了。

 

4/1 自然と早くに目が覚める。外は雨が降っている。今日は、新たな宿まで、車で30分ほどの道のりを移動する予定。どのように向かうか思案の末、バス移動は難しいと判断し、タクシーを使って移動することに決める。チェックインの時間まで余裕があるため、フィレンツェ散策。小雨が降っているので、折り畳み傘を、駅のなかのtabacchi で購入、荷物をサービスに預けて、身を軽くする。

 

よし、街へ散策だ。イタリアの街に繰り出す。右側通行で、走る車は、けっこう飛ばすなぁ。沢山の車は、所狭しと縦列駐車で止まっている。街は、石造り・煉瓦造りの建築物が立ち並ぶ。それを見て、感動。日本の街並みとは全く異なる。少し歩くと、大きな広場に出る。さらに抜けて、人の多い方へ付いていくと、大きなドーム状の建物が見えてきた。サンタマリア大聖堂だ。美しい彫刻や、絵画を眺める。私たちは、近くにある本屋さんへ。お土産をいくつか購入。

 

雨の中、長い時間を歩いていたら、だんだん疲れてきた。足元もぐちゃぐちゃに。すると、妻が、スマホが無いと言う。本屋さんへ戻り、捜索する。すると、結局ポケットから見つかった。ふう。良かったねぇ。なんだか疲れてしまったので、ちょっと一休みしたい。ジェラート屋さんを見つけて、席に座ろうとする。しかし、ほんの少しの差で、空いている席が埋まってしまった。違うお店を探そう。

 

気を取り直して、空いているジェラート屋さんを発見。入って注文する。私はチョコとミルクを注文。チョコは濃厚で、ミルクもフレッシュ。とても美味しい。少し元気を取り戻し、駅へ戻って、荷物を回収。いよいよ、宿に向けて出発するべく、タクシー待ちの行列に並ぶ。

 

列は長かったが、回転が早く、すぐにタクシーに乗ることが出来た。左ハンドルのトヨタ車。運転手は、30代くらいの男性で、少しフィレンツェの街を案内してくれつつ、目的地へ、30分ほどのドライブをしてくれた。メーターが回っていたので少し安心していたが、おそらく、最後の最後に、料金をごまかされた。言葉がわからず、慣れていないので、そのまま支払った。残念な気持ちになるとともに、言語の大切さを実感する。

 

そんな残念な気持ちの一方、トスカーナ地方の風景は美しい。空が広く、田園地帯が広がっている。鳥の鳴き声が響き渡り、農泊を選んだことは間違っていなかったなと思う。ここに、3日間滞在する予定。そして、明日は何も予定がない。何をして過ごそうか。

 

 

 

モンテスペルトリを眺める

イタリア旅行記3〜初めてのイタリア〜

深夜のフライトは、時間にして14時間。深夜に提供された機内食を美味しくいただいて、就寝。枕や毛布があり、飛行も安定しているので、意外と快眠。フライト中、時間について、不思議に思う。「同じ空間に、同時に生きているのに、違う時刻を生きているって、どういうことなんだろう?」

 

アジア、中東、ヨーロッパと飛行し、いよいよイタリア上空。曇っていて、何も見えないけれど、高度を徐々に下げ、ミラノの街が見えた。マルペンサ空港へ到着し、電車で、ミラノ中央駅へ移動。列車のサイズが日本よりも大きく、座席のシートの質感が良い。1時間ほどで、到着。駅の構内は、天井が高々としていて、趣がある。真っ赤な高速列車が、プラットフォームに立ち並ぶ。

 

窓口で、言葉がうまく話せず、切符を買うのに、一苦労。一度でうまく行かず、二度トライ。イタリア語の手帳を見ながら、たどたどしく、「フィレンツェに行きたいので、二人分の切符をください」と話すと、伝わった。「世界が分からないことだらけ。新しく知ることだらけ。」子ども時代に過ごしたそんな感覚が、再び。切符ひとつ買うことに立ちすくむ。どうやったらいいかなぁ。周りのイタリア人に助けてもらいつつ、何とかクリアしていく。そんな時間。

 

駅のなかにパン屋さんを発見!これは行かねばと、店のなかに入ると、黒を基調にした店内に、サンドイッチ、バーガー、ピザ、フォカッチャが並ぶ。パンが焼ける香り、コーヒーの香りに包まれ、幸せな気持ちになる。どれにしようか頭を抱えながら、ピザとフォカッチャをひとつずつ注文する。ゲットした切符で、ミラノからフィレンツェへ移動。列車は、またしても、質感の良いシート。そして、今度は、広々とした電源付きのテーブルがある。窓はとても大きい。電車に対しての考え方・作り方が、日本とは異なっている。車窓を眺めつつ、ゆったりとしたテーブルで、駅で買ったピザを頬張りながら、進んでいく。

 

トラブルがあり、一時停止があったものの、フィレンツェのサンタマリアノヴェッラ駅へ到着。ミラノ中央駅とはまた異なる趣で、平面的に広く、明るい印象を受けた。列車のなかでも犬を連れている人を見かけたが、駅の構内でも犬とともに移動している人を見かける。イタリアでは犬と一緒に公共交通を使っても問題ないようだ。駅はもうすでに、美術館のよう。建物や美術に対しての感性が豊か。これからの旅でますます感じることだろう。

 

さて、初日の宿まで、移動。と指定の住所に来たものの、普通のアパートメントで、どれが自分の借りる部屋か分からない。メールを見返しても、特に情報が無い。困り果てて、近くの薬局のおじさんに助けを求めると、おじさんも初めてのことらしく、分からないようだ。唯一知っていた宿のオーナーの電話番号を伝えると、すぐに電話をかけてくれた。

最初は繋がらず、「もう少し待ってて」と言われる。弱ったなぁ、と思っていると、折り返しの電話があった。薬局のおじさんが、その電話を受けて、宿の部屋や、その鍵の入ったシークレットボックスを見つけて、渡してくれる。

その後、鍵も開けるのが難しくて、大変だったけど、なんとか部屋に入れた。薬局のおじさん、本当にありがとう。調べると、メールではなく、予約サイトのアプリベースで、オーナーから連絡が来ていた。初めてのことは面白いけど、大変だ。

でも、誰かが助けてくれる。ありがたい。明日は農泊へ移動。たどり着けるか?

イタリア旅行記2〜旅の始まり、台湾そしてイタリアへ〜

ついに始まったイタリア旅行。まずは福岡空港へ。今回利用する航空会社は、エバー航空。台湾を拠点にしている会社であり、私たちは、福岡空港台湾桃園国際空港〜ミラノ・マルペンサ国際空港へと移動する行程となる。まずは台湾へのフライト。妻は10年ぶりの海外、私は6年ぶりの海外。「バイバイ、日本、行ってきます」

 

2時間の空の旅。私たちにとって、台湾も初めて。「台湾ラーメンが食べたいね!」なんて話す。座席に1台設置されているタブレット端末には、映画や音楽、ゲーム、フライト情報など、様々な楽しみがある。進化している空の楽しみを感じつつ、あっという間に到着。台湾の空気は、湿度が高くてむわっと暑い!

 

そして、台湾でのトランジットは約8時間。着いてからの時間がたっぷり。さて、どう過ごそうか。実は私も妻も、年度末のデスクワークが溜まっていて、空港で場所を探して、集中して取り組む。空港内はwi-fiが安定していて、電源も各所にあり、とても助かる。ぐっと集中して、なんとかひと段落。空港を散策してみよう。

 

空港は、ターミナル1と、ターミナル2に分かれている。私たちが到着したのはターミナル2。搭乗口が、A~Dまであり、A-Dが連なっているラインと、B~Cが連なっているラインがあり、中央部で両者が接続している。3Fが搭乗口とブランドショップが並び、4Fにカフェやフードコート、マッサージ店などがある。

 

面白かったのが、搭乗口ごとに、コンセプトがあったこと。サンリオの世界観のかわいい待合室や、森林のなかをモチーフにした待合室(めちゃめちゃ木が生えている(笑))。近未来的な待合室など、多種多様な世界観の待合室が、並んでいる。次はなんだろう、と歩きながらワクワクする。一方、私たちが利用する搭乗口は、びっくりするほど、普通の待合室で、ずっこけた。

 

台湾で夕食を取った際に、出てきたお茶は、甘かった。後で教えてもらったのだが、ノンシュガーで頼まないと、日本人にとっての普通のお茶は出てこないらしい。普通は、国が違えば異なるということを、久々に体感。周りを飛び交う言語も、主には中国系の言葉。日本語だけに囲まれた暮らしから飛び出すと、新しい・分からないことばかり。

 

さっそく海外に来て、このよく分からない環境で、なんとか生きていくという感覚に出会えて、面白い。国が変われば、当たり前のチャンネルは切り替わる。そして、旅はつづく。さて、次はどんな当たり前が待っているだろうか。日付が変わろうとする時間に、次の飛行機へ搭乗。いよいよイタリアへ。

イタリア旅行記1〜旅の準備〜

昨年の冬ごろ、夫婦で「海外旅行に行こうか」と話す。結婚してから5年間、お金も無かったし、コロナもあったので、国内旅行はちょこちょこと行っていたけれど、海外は一度も行っていなかった。よし、じゃあ行ってみよう。さて、どこに行こうか?

 

一番最初に出てきたキーワードは「ヨーロッパ」。パンが大好きな妻としては、やはりヨーロッパのパン文化に触れたいという思いがあるようだ。ちょうど、私には、その頃読んでいた本がある。『世界中から人が押し寄せる小さな村〜新時代の観光の哲学〜』(島村菜津著) だ。

 

イタリアの小さな農村で、古い朽ち果てていく民家を宿として再生し、その風景を保全していく人々の姿を紹介したものだ。たまたま本屋で手に取り、表紙の風景が気に入り、購入した。その本の影響もあって、「ヨーロッパに行くなら、イタリアに行ってみたいな」そう妻に話すと、じゃあイタリアにしようと決まった。

 

上記の経緯から、今回の旅のテーマは、「パン」と「農泊」という二つが軸になりそうだなと思っていた。妻がイタリアに行くことを、職場に共有し、2週間の休暇をいただくことをお願いすると、子ども園の理事長が、「おすすめを紹介するから、一度遊びにおいで」と声をかけてくださった。

 

理事長の N先生は、大変に博識で、お話が面白い。N先生は、息をするかのように学んでいる人だ。本を読んだり、勉強会を主催したり、旅をしたり、人と話をしたり、実践したり・・・。私が学生時代の時から、多くの学びのチャンスをくれていて、夫婦ともども、いつもお世話になっている。

 

さて、N先生にお話をしに行くと、2冊の本を紹介してくれた。『スローフードの奇跡』(カルロ・ペトリーニ著)『イタリアのテリトーリオ戦略』。「この2冊の本にある哲学は、これからの社会を生きていくうえで重要なエッセンスになるから、それをぜひ感じてきてほしいな」そんな言葉をくださった。

旅は、3月30日〜4月11日の13日間。うち4日間は移動に費やすため、イタリアで過ごせる時間は9日間だ。その9日間の使い方を巡って、夫婦で、やんややんやとアイデアを出す。何せ、初めてのイタリア。ここにも行きたい、ここにも行ってみたい。でもどちらもは選べない。さあどうしようと、思案している間に、出発の日が迫ってくる。

 

友人の助言も得ながら、最後はええい、と、今回の旅の最初の拠点は、フィレンツェにしようと決めた。ミラノに着いたら、フィレンツェへ移動し、その周辺で4日間過ごすプランを組む。その後は未定だ。着いてから、決める。さて、人生で初のヨーロッパ。どんな旅になるだろう、どんな出会いがあるだろう?

 

 

 

二足の草鞋が重なると?

嫁さんは、保育士兼パン屋の二足のわらじを履いている。

 

保育士は週3回だ。担任は持たずに、複数のクラスの補助スタッフとして働いているらしい。今年の前半、あるクラスの先生から、「パンを子どもたちと作らない?」と声をかけてもらい、園児と一緒にパンを作ったらしい。それ以来、パンを教えてくれる職人先生として、名を馳せているらしい。笑 ほかのクラスでも呼ばれるとか。しかも、クラスの担任の先生が、パンを焼く時間の前に、生地にイーストを混ぜたパターンと、混ぜなかったパターンでどうなるかを実験したりしてくれている。子どもたちは、パンへの興味がしっかりと耕されている。ぷっくり膨れたパンが焼けたら、大喜び。

 

「どうしてイーストを混ぜると膨らむんだろう?」

「パンの生地ってもちもちしてて、気持ちいいな」

 

そんな疑問を持ったり、感性を持つきっかけになっているのではないだろうか。

 

そんな体験を積み重ねてきた子たちが、小中高で、その疑問や感性を伸ばしていったらどんな探究活動が生まれるんだろう。