イタリア旅行記3〜初めてのイタリア〜

深夜のフライトは、時間にして14時間。深夜に提供された機内食を美味しくいただいて、就寝。枕や毛布があり、飛行も安定しているので、意外と快眠。フライト中、時間について、不思議に思う。「同じ空間に、同時に生きているのに、違う時刻を生きているって、どういうことなんだろう?」

 

アジア、中東、ヨーロッパと飛行し、いよいよイタリア上空。曇っていて、何も見えないけれど、高度を徐々に下げ、ミラノの街が見えた。マルペンサ空港へ到着し、電車で、ミラノ中央駅へ移動。列車のサイズが日本よりも大きく、座席のシートの質感が良い。1時間ほどで、到着。駅の構内は、天井が高々としていて、趣がある。真っ赤な高速列車が、プラットフォームに立ち並ぶ。

 

窓口で、言葉がうまく話せず、切符を買うのに、一苦労。一度でうまく行かず、二度トライ。イタリア語の手帳を見ながら、たどたどしく、「フィレンツェに行きたいので、二人分の切符をください」と話すと、伝わった。「世界が分からないことだらけ。新しく知ることだらけ。」子ども時代に過ごしたそんな感覚が、再び。切符ひとつ買うことに立ちすくむ。どうやったらいいかなぁ。周りのイタリア人に助けてもらいつつ、何とかクリアしていく。そんな時間。

 

駅のなかにパン屋さんを発見!これは行かねばと、店のなかに入ると、黒を基調にした店内に、サンドイッチ、バーガー、ピザ、フォカッチャが並ぶ。パンが焼ける香り、コーヒーの香りに包まれ、幸せな気持ちになる。どれにしようか頭を抱えながら、ピザとフォカッチャをひとつずつ注文する。ゲットした切符で、ミラノからフィレンツェへ移動。列車は、またしても、質感の良いシート。そして、今度は、広々とした電源付きのテーブルがある。窓はとても大きい。電車に対しての考え方・作り方が、日本とは異なっている。車窓を眺めつつ、ゆったりとしたテーブルで、駅で買ったピザを頬張りながら、進んでいく。

 

トラブルがあり、一時停止があったものの、フィレンツェのサンタマリアノヴェッラ駅へ到着。ミラノ中央駅とはまた異なる趣で、平面的に広く、明るい印象を受けた。列車のなかでも犬を連れている人を見かけたが、駅の構内でも犬とともに移動している人を見かける。イタリアでは犬と一緒に公共交通を使っても問題ないようだ。駅はもうすでに、美術館のよう。建物や美術に対しての感性が豊か。これからの旅でますます感じることだろう。

 

さて、初日の宿まで、移動。と指定の住所に来たものの、普通のアパートメントで、どれが自分の借りる部屋か分からない。メールを見返しても、特に情報が無い。困り果てて、近くの薬局のおじさんに助けを求めると、おじさんも初めてのことらしく、分からないようだ。唯一知っていた宿のオーナーの電話番号を伝えると、すぐに電話をかけてくれた。

最初は繋がらず、「もう少し待ってて」と言われる。弱ったなぁ、と思っていると、折り返しの電話があった。薬局のおじさんが、その電話を受けて、宿の部屋や、その鍵の入ったシークレットボックスを見つけて、渡してくれる。

その後、鍵も開けるのが難しくて、大変だったけど、なんとか部屋に入れた。薬局のおじさん、本当にありがとう。調べると、メールではなく、予約サイトのアプリベースで、オーナーから連絡が来ていた。初めてのことは面白いけど、大変だ。

でも、誰かが助けてくれる。ありがたい。明日は農泊へ移動。たどり着けるか?